ドローンの農業への応用についての共同研究の開始について

農業用ドローン

宇都宮大学大学院 工学研究科
宇都宮大学 農学部付属農場
株式会社ナイルワークス

宇都宮大学(工学研究科 情報システム科学専攻、農学部付属農場)と(株)ナイルワークスは、2016年度に、ナイルワークス社が開発している農薬散布用ドローン(図1)を利用した、農作業の効率化とドローンの安定運用に関する共同研究を行うことで合意しました。

共同研究においては、宇都宮大学付属農場を試験フィールドとして利用し、水稲と麦を対象に、(株)ナイルワークスが開発している農薬散布用ドローンの性能試験、農業用ドローンの精密制御技術の開発、ならびにNDVI(正規化差植生指数、注1)を利用した生育状況監視技術の開発を行います。役割分担は、表1のとおりです。

スケジュールとしては、4月から6月の予定で、麦を対象とした生育調査(2週間に1回程度)、ならびに、防除のための農薬散布実験(1回)を行います。また、5月から9月は、水稲の生育調査(5月下旬の田植えから9月下旬の稲刈りの期間に、2〜3週間毎の調査)と防除のための農薬散布(3回程度、カメムシ、いもち病対策等)を行います。

この共同研究を通して、以下の項目について、研究開発を行う予定としています。
    ドローンを利用した農薬散布の効果と課題を抽出し、農薬散布制御の精密化を図る
    自律飛行精度の向上
    NDVIの測定精度の確認
    生育状況調査のデータ分析技術とその分析結果の利用可能性についての検討
    ドローンを農作業(水稲、麦の栽培)に応用した場合の有効性(省力化、低コスト化)の確認


注1:NDVI(Normalized Difference Vegetation Index:正規化差植生指数)
もともとは、植物による光の反射の特徴を生かし、衛星データを使って簡易な計算式で植生の状況を把握することを目的として考案された指標で、以下の式で計算します。我々の共同研究では、ドローンから撮影した、可視領域(753nm)と近赤外領域(662nm)を利用する予定です。これを測定することにより、穂肥、収穫、等の適期を予測できるようになります。


図1:ドローン外観、諸元ドローン外観ドローン外観
重量 25kg
農薬積載容量 10
農薬散布面積 1ha
飛行時間 最長飛行時間20分
飛行速度 最大時速20km
(農水省の定める空中散布の飛行速度に準拠)
飛行方法 自動運転
表1:役割分担
メンバー 役割分担
宇都宮大学大学院 工学研究科
情報システム科学専攻
ローンの精密制御に関する技術開発
NDVIデータの分析技術開発
宇都宮大学 付属農場 実験フィールドの提供
農作業に関するアドバイス
ドローンを利用した場合の作業効率化の効果測定
(株)ナイルワークス ドローンの自立飛行機能の技術開発
農薬散布実験の実施


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