農業用ドローンの普及が進み、「自分もドローンを飛ばしてみたい」と興味を持っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。しかし、「ドローンの操作は難しそう」「機械音痴だから心配」といった不安もあるかもしれません。今回は、ドローン操作について、手動と自動の比較をしながら、基本的な操作方法を解説します。
日本では、農業労働力不足が深刻な課題となっています。農業従事者が激減し、農地の集約・大規模化が急速に進行しています。このような背景から、農業用ドローンに注目が集まっています。農業の効率化や精密化、環境への配慮など、現代の農業が抱える多くの課題解決の一助となるからです。
農業用ドローンの主な用途として、農薬・肥料の散布が挙げられます。従来の手作業や機械による散布と比較し、労力や時間を削減し、均一に散布できます。農薬に触れたり吸い込む可能性も低減し、健康被害への不安も緩和されます。
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また最近では、可変散布機能を搭載したドローンも登場しています。センシングデータを活用し、必要な箇所に必要な量のみの農薬・肥料を撒くことができます。作物の健康を守りながら、環境への配慮も実現します。
日本の農業が抱える課題に対して、効果的な解決手段として農業用ドローンがあります。農業用ドローンを利用することで、農業が抱える次の3つの問題の解消が期待されています。
農業用ドローンには、大きく分けて、2種類あります。自ら操縦を行う「手動」と、指定された圃場へ自動散布する「自動」の2種類です。
それぞれについて、以下に解説します。
手動ドローンは、ドローンの着陸まで、送信機(プロポ)を操作して、ドローンを飛行させます。スティックを巧みに操りながら、上昇・下降、前後移動、左右移動、左右旋回の操作を組み合わせて、自ら操作します。オペレーターが、ドローンの動きを細かく制御できることが嬉しいポイントです。
一方で、ドローンを安全に飛行させるための技術がなければ、墜落による事故を発生させるリスクが伴います。高低差や奥行きの感覚がつかみにくく、障害物を回避する操作は精神的な負担も大きいです。また、圃場に均一な濃さで散布するためには高度なテクニックが必要です。そのため、技術習得の練習や現場経験が、重要になります。
自動ドローンは、事前に設定したルートに従い、ドローンが自動で農薬や肥料を散布します。毎回、同じルートを飛行させることができ、簡単に定期的な散布を繰り返すことができます。そのため、少ない労働力でも、作業スピードを向上させながら農地を管理できます。
また手動操作ではオペレーターの技術や疲労により作業品質が変わってしまうこともありますが、自動ドローンであれば設定通りの一貫した散布が可能です。手動操作時に発生し得る操作ミスや事故のリスクを減らし、安全性も高まります。技術や経験に頼ることなく、散布の質を一定に保つことができます。
具体的に自動ドローンのメリットをご紹介します。
それぞれのメリットについて、ナイルワークスの自動飛行ドローン利用者の声をお届けします。
ひとりで散布することができ、作業効率の向上にもつながります。
千葉県柏市で、約150年前から先祖代々田んぼを受け継ぐ若手農家は、「操作自体は簡単なので、スマートフォンさえ使えれば、誰でも散布できると思います。自分で初めてドローンを飛ばした時は、設定した通りに散布するので、感動しました。とても扱いやすく、ひとりでも丁寧な散布作業ができます。」と語っています。
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※ひとりでドローンによる散布を行うためには、国土交通省が公開している「航空局標準マニュアル(空中散布)」を遵守する必要がありますので、詳細は、国土交通省のホームページで確認してください。
参考:国土交通省
無人航空機の飛行許可・承認手続
https://www.mlit.go.jp/koku/koku_fr10_000042.html#anc03
航空局標準マニュアル(令和4年12月5日版)/航空局標準マニュアル(空中散布)
https://www.mlit.go.jp/common/001521379.pdf
好きな時間で散布でき、最適な散布タイミングを逃しません。
宮城県仙台市の女性農家は、「(Nile-JZ Plusは)実際、女性でも1人で扱える軽さと、軽バン(ミニバン)に積めること、なによりも自動飛行経路を作ってくれるので簡単なんです。さらに、身構えることなく、ひとりでもやりたい時間帯に気軽に防除できることは精神的にも本当に楽です。」と笑顔で話します。
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自動だからこそ、技術や経験に頼ることなく、散布の質を担保できます。
青森県の高校生は、両親の力になりたいとドローンを飛ばします。「操作や圃場登録は簡単でした。」「小さい頃から農作業を見てきたので、大変なことを理解しています。時間があるときに少しでも作業を手伝って、父を楽にしてあげたいです」と家族で農業に取り組んでいます。
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「作業効率を上げたい」「スキマ時間をうまく活用したい」「ひとりで作業できれば」このようなお悩みを解決するのが、国産自動飛行ドローン「Nile-JZシリーズ」です。ひとりで準備から散布、片付けまででき、ストレスなく散布可能です。
使い方は、とてもシンプルです。まず、事前に圃場や障害物を測量します。そして、飛行経路はスマートフォンを使い、リアルタイムで自動生成され、簡単な操作でドローンは自動飛行します。障害物も回避するので、人の手による操作ミスや事故のリスクを軽減できることが、安心です。
また、Nile-JZ Plusは、圃場センシング・解析結果をもとに、作物の生育状態にあわせて、部分的に農薬・肥料を散布する可変散布の機能を搭載しています。農薬・肥料の使用量の低減に役立つとして、「みどり投資促進税制」の対象機械としてドローンで初めて認定されています。
ナイルワークスは、これまで、数々の農業現場で、高齢化や後継者不足に悩む農家の姿を目の当たりにしてきました。「農家の悩みを解決したい」その強い想いが、ナイルワークスのモノ作りの原点にあります。
「国内で一番使いやすいドローンをつくる」
Nile-JZシリーズは、農家の皆さんとの対話から生まれました。安全安心な国産にこだわり、使いやすさを追求し自動飛行を可能にしました。
農業の未来は、皆さんとともに、同じ想いがあってこそ実現できると考えています。
ナイルワークスには、様々な分野の技術エンジニアが多数在籍しています。農業従事者・関係者の声を大切にしながら、農や食が抱える課題解決をするための特許出願を行なっています。
特許庁が取りまとめた「令和5年度 特許出願技術動向調査報告書(令和6年3月)」にある特許出願数(国際展開発明件数)ランキングにおいて、ナイルワークスはドローン分野において日本企業として特許の国際出願数No.1、世界ランキングではNo.3として注目されています。
出典:特許庁 令和5年度 特許出願技術動向調査報告書(令和6年3月)
全体概要:
https://www.jpo.go.jp/resources/report/gidou-houkoku/tokkyo/2023theme.html
ドローン概要:
https://www.jpo.go.jp/resources/report/gidou-houkoku/tokkyo/2023theme.html#a04
ドローン調査報告:
https://www.jpo.go.jp/resources/report/gidou-houkoku/tokkyo/document/index/2023_02.pdf
※国際出願の出願先:日米欧中韓台以印 ASEAN WO
上記の調査期間以降も特許出願を継続し、2024年5月現在、ナイルワークスが権利取得した特許数は、155件(内訳:日本国内122件、中国24件、アメリカ9件)です。特許内容は、完全自動化特許、インターロック機能、飛行経路生成、生育シミュレーションから画像センシングなど、多岐にわたる特許技術が登録されています。
農作業をする方の安全性の確保、作業効率の向上、作物の品質・収量を高めるための工夫を権利化しています。2015年の創業以来、着実に築き上げてきた技術優位性を維持しながら、農と食の未来を描いていきたいと考えています。
農業用ドローンについて調べていると、「ドローン免許」「ドローン資格」といったの言葉を目にします。そのため、国家資格が必要だと思われる方も少なくありません。しかし、農業用ドローンを飛行させる際に、国家資格は必要ではありません。一方で、無条件で勝手に農業用ドローンを使用できるわけでもありません。
農業用ドローンは、航空法などの法律を遵守し、必要な申請を行うことで、飛行させることができます。そのため、技術や知識を習得する必要があります。
農業用ドローンを使用するために、事前に知っておきたいポイントをご紹介します。
※2024年10月現在
改正航空法が2022年12月5日から施行され、国家資格である「無人航空機操縦者技能証明制度」が開始されています。より便利で快適な社会に向けて、第三者上空での補助者なし目視外飛行(レベル4飛行)を実現するために創設された制度です。
ドローン飛行には、レベル1からレベル4までの規定が設けられています。レベル4の飛行が可能になったことで、離島への荷物配送や災害時の救援物資輸送など、産業に大きな変革をもたらすことが期待されています。抜粋:国土交通省 無人航空機レベル4飛行ポータルサイト https://www.mlit.go.jp/koku/level4/
しかし、農業用ドローンを使用するにあたり、国家資格「無人航空機操縦者技能証明制度」の取得は必須ではありません。
農業用ドローンを飛行させる際には、事前に国土交通省のオンラインサービス「ドローン情報基盤システム<DIPS>」にて飛行申請をし、飛行許可を得る必要があります。申請項目の一つに、操縦者の飛行経歴や知識、技能について報告し、ドローンを飛行させるための要件を満たす必要があります。
そのため、ナイルワークスでは、Nile-JZシリーズを安全にご利用いただくために、講習会を実施しています。この講習会は、「ドローン情報基盤システム<DIPS>」申請時の技能要件を満たす内容となっています。
参考:国土交通省
無人航空機操縦者技能証明 https://www.mlit.go.jp/koku/license.html
ドローン情報基盤システム<DIPS> https://www.ossportal.dips.mlit.go.jp/portal/top/
Nile-JZシリーズを安全にご利用いただくために、講習会で知識・技術を習得することができます。講習会は、3日間です。座学・実習を通して、体系的に知識・技術を学び、Nile-JZシリーズのライセンスを取得します。
ドローンによる農薬散布は、人口が密集する地域の上空を飛行する場合があることや、航空法で禁止事項となっている「危険物の輸送」「物件の投下」などにあたるので、国土交通大臣への許可・承認の申請が必要です。
「面倒くさそう」と考える方も多いと思いますが、ナイルワークスの講習会で、各種申請についても丁寧にご説明するので、ご安心ください。詳しく知りたい方は、国土交通省のホームページを確認してください。
出典:国土交通省
無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルール
https://www.mlit.go.jp/koku/koku_tk10_000003.html
無人航空機を屋外で飛行させるための手続きについて(令和6年4月)
https://www.mlit.go.jp/common/001579420.pdf
自動飛行ドローンにご興味ある方は、まずはナイルワークスまでお気軽にお問い合わせください。
ナイルワークスのドローンは、人手不足や高齢化といった農業の課題に真摯に向き合い、開発された製品です。効率的で持続可能な農業を目指す方々にとって、最適な解決方法となるでしょう。
Nile-JZシリーズの主な特徴は以下の通りです。
農業用ドローンの導入やその他の疑問点については、ぜひナイルワークスまでお気軽にご相談ください。専門スタッフが丁寧にサポートいたします。