せきね農場
関根陸 様
地域:千葉県柏市 作物:水稲 作業:防除
東京都心部から約30kmあまり、都心への通勤圏内でベッドタウンとして発展する千葉県柏市。駅前の商業地域から少し離れると、別世界が広がります。利根川流域に広がる田園地帯では、ひばりが囀り、カエルが顔を覗かせます。せきね農場は、この地で、約150年前から受け継ぐ田んぼを守っています。
国土の約5%という全国位置の流域面積を誇る利根川流域は豊かな水に恵まれ、各地域で農業が盛んで、文化が形成されてきました。せきね農場も利根川流域の千葉県柏市で、先祖代々、農業を営み、現在は自作で20ha、請負で10haの合計30haのお米を育てています。農家の高齢化や担い手不足が進行し、この地域の農業のあり方も様変わりしています。
関根さん「自分が幼い頃は、家族総出でゴールデンウィークになれば田植えをし、実りの秋には親戚の手をかりながら稲刈りをする風景が当たり前でした。今は、農家が減り、田植えや稲刈りの風景が変わりましたね。新技術をとりいれて、効率化をはかる必要がある時代だと感じています。」
農家の息子として生まれ育った関根さんはトラクターなどの機械が大好きで、跡を継ぐことにしました。先端技術を搭載した農機にも興味津々です。熟練農家のような経験が浅い分、新技術を活用しながら効率化に取り組んでいます。引退する地元農家から、田畑の管理を依頼されることも多くなり、この地域の農業を担う若手として期待されています。
関根さん「情報収集を心がけ、既成概念にとらわれずに、取り組みたいと考えています。田畑の管理を任せてくれた方々からの期待にも応えることで、生まれ育った地域の農業を支えていきたいと思っています。」
※撮影上の演出のためヘルメットを被っていません
関根さんは、農作業の効率化をはかるため、5年もかけて自身のニーズに合致したドローンを検討していたそうです。そこで目についたのが、ナイルワークスの農業用ドローンNile-JZ Plusでした。フルオートに特化し、事前準備もお手軽で、ひとりでも操作してもストレスフリーな飛行が特徴です。
関根さん「色々なメーカーのドローンを比較検討した結果、ナイルワークスのドローンの導入を決めました。国産であることとワンオペ作業ができることが、決め手です。可変散布できることにも魅力を感じました。それに、何かあったときにすぐに解決してくれるので、カスタマーサービス面も安心です。」
ー農業は一日にしてならずー未来に向けて持続的な農業を担うためには、丁寧な仕事で地域の人々から信頼され続けることが大切です。農作物と向かい合うために、時間と労力のかかる農作業の負担を軽減する決断をした関根さんは、Nile-JZ Plusを相棒に迎えました。散布したい圃場を一度測量することで、衛星データより正確な圃場データを元に飛行経路が自動的に作られることも、機械好きの関根さんにはちょっとしたワクワクなんだとか。
関根さん「操作自体は簡単なので、スマートフォンさえ使えれば、誰でも散布できると思います。自分で初めてドローンを飛ばした時は、設定した通りに散布するので、感動しました。とても扱いやすく、ひとりでも丁寧な散布作業ができます。」
関根さんのお父様が、15年ほど前、利根のきれいな水で育った美味しいお米を楽しんでもらいたいと、餅米をお餅に加工し、道の駅での販売を始めました。1次・2次・3次産業を融合し価値を創出する6次産業化の先駆けです。試行錯誤する父の背中を見て育った関根さんも、その意志を受け継ぎ真剣に取り組みます。
関根さん「農業は生産することが仕事ではなく、食べる人あってこそ。本物は、シンプルです。美味しいものは、素材のポテンシャルで決まります。いいものをつくって、いいものしか世に出しません。自信をもってやっています。」
道の駅では、せきね農場のお餅がすぐに売り切れるほど、数多くのファンがいらっしゃいます。豊かな自然と共存し、利根川沿いの肥沃な田んぼで美味しい米づくり。その素材を最大限に活かしたお餅のシンプルな美味しさは、地域の人々を笑顔と感動に包みます。
関根さん「地味で大変な作業もたくさんあります。でも、一つ一つ、こだわってやっています。これからも、誇りを持ち、丹精込めてお米をつくっていきます。農業や社会のあり方を考えながら、この地域の農業の発展に向けて挑戦していきたいですね。」