農を通した家族の思いやり 次世代へ

農業用ドローン

個人農家 川﨑様
川﨑憲稔(かずとし)さん 川﨑光来(みらい)さん 川﨑美代子さん
地域:青森県三戸郡五戸町 作物:水稲 作業:防除・肥料

青森県の南に位置する五戸町は、東北新幹線が通る八戸駅から車で20分ほどの場所にある内陸の小さな町。鎌倉時代からの有数の馬産地で、かつては人より馬が多いと言われるほどで日常的に馬肉料理を食べる地域でふるさと納税でも人気の一品です。川﨑さん一家は御夫婦ともに五戸町出身で、家族とともに過ごす時間を優先したく、スケジュールや時間のやりくりが自分たちでできる農業を、愛着のある五戸町で継承しようと新規就農した米農家さんです。若い世代なので、町内会の役を引き受けているため、この町のことはなんでも知っています。

農業と向き合う両親の力になりたい

ドローンを飛ばす高校生
川﨑光来(みらい)さんー(高校1年生)―は、幼い頃から遊び場は田んぼでした。本物の自然に囲まれ、五感を使って季節を感じながら遊ぶことは、彼女にとっては特別なことではなく当たり前の風景でした。世の中の仕組みがわかるようになると、自然と共に歩む農業がどれだけ大変なことかを自ずと理解した光来さんは、学校のない週末に農作業を手伝うようになり、今回、農業用ドローンのオペレーターライセンスを取得し、両親と共同作業でお米を育てています。

川﨑光来さん「操作や圃場登録は簡単でした。同じ世代の人たちも、ドローンのような新しい技術を知ってもらって、農業に興味を持ってほしい」

川﨑憲稔さん「娘はスマホなどのデジタル機器に慣れている世代なので、圃場の登録や散布薬剤量のセッティングが早くて本当に助かっています。このドローンは飛行経路から散布作業まで自動なので、娘の散布作業を安心して見ていることができますね」

備えあれば憂いなし 作業手段を変えてみることで開ける道も

ドローンで散布する薬剤をセッティングする様子
ナイルワークスの農業ドローンNile-JZ Plusは軽量なので、ひとりで作業できることが特徴です。農業知識があるお父様が圃場の状況を見ながら薬剤を作っている間に光来さんがひとりで自動飛行散布できるので、作業効率が上がることはもちろんのこと、誰が散布しても均一品質になることにメリットを感じています。

川﨑憲稔さん「これまでは30haの田んぼへ動噴で防除作業していましたが、7〜10日かかっていました。重たい動噴を背負って圃場を歩きながらの散布作業は、暑い炎天下の中では体力的にも精神的にも本当に大変でした。年々体力の衰えも感じていたので、労力をかけることなくひとりで散布できるドローンを探していました。ナイルワークスの農業用ドローンは自分が探し求めていたドローンだったので、出会ってすぐに購入を決めました。防除作業がひとりでできますし、しかも1〜2日で終わります。削減できた時間で他の作業に取り組めますし、これから歳を取っていく将来も、このドローンであれば農作業が楽にできると思っています」

農業用ドローンができることは散布だけではない 露払いにも挑戦

ドローンを持ち運ぶ様子
憲稔さんはとても研究熱心な方で、水稲の生育方法に自分なりの工夫を取り入れています。水稲の育苗は、株の成長と収穫量を左右すると言われており、わずか一ヶ月の間に様々な工程があります。通常ハウス栽培で育苗するところを、露地育苗した憲稔さん。コストや管理面を考え農業指導者たちと協議を重ねたうえ、露地プール育苗✕バイオスティミュラントを取り入れて育苗したところ、しっかりとした株と粒の大きさが実現でき、過去最高の収量を見込める生育状況とのこと。

川﨑憲稔さん「毎日、稲の状況を見ることが楽しみで仕方ないですし、自分が考えた上で工夫したことで、病気せずに育ってくれることが農業のやりがいです。農業用ドローンは農薬や肥料の散布だけではなく、ダウンウォッシュ(=ドローンから下向きの強い風)を活用して露払い(=収穫時の水分を取り払う作業)をしてみようと考えています」

次から次へアイディアが湧き出る憲稔さんの探究心はとどまるところを知らず、目を輝かせて語ってくれました。

農を通して会話が弾む 想いを伝える

親子共同でドローンの準備をする様子
親の背中を見て子は育つ。
親子共同作業となる農業用ドローンを導入したことで嬉しい副産物もあり、父と娘の会話が増えました。

川﨑美代子さん「新しい機材を通して(夫と娘が)ふたりで話している機会が増えて、感心しています。共通の話題があるって、家族にとっては良いことなので、少しでも体験を共有出来たら嬉しいです」

憲稔さんにとって身近にある農は、会話という自然な形で次世代の光来さんに繋いているかのようにみえます。飾らない言葉で学べる温かさも、お互いをそっと思いやる姿勢もごくごく自然です。

川﨑光来さん「小さい頃から農作業を見てきたので、大変なことを理解しています。時間があるときに少しでも作業を手伝って、父を楽にしてあげたいです」

ドローンを飛ばす高校生
豊かな農と食を次世代に繋いでいこうと奮闘している憲稔さん。光来さん自身がそうだったように、同世代も生産性を向上できるスマート農業技術に触れる機会さえあれば、きっと農業に興味を持ってくれると感じています。農業に関わる人が自分らしさを大切にしながらいきいきと輝けるようにと、川﨑さん一家はこれからの農業のカタチを創造し続けます。


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