自動飛行ドローンのメリット3選|手動と半自動との違いも

農業用ドローン
目次

農作業における労働の負担軽減、人手不足の解消、コスト削減などにつながると期待される農業用ドローン。自動化も進み、自動で農薬や肥料を散布できるドローンも登場しています。手動・半自動・自動の違い、自動飛行のメリットを解説します。

ドローンで農薬散布するメリット

これまで、人力での手作業や無人ヘリコプターなどを利用していた農薬散布。ドローンを用いた農薬散布は、従来の方法と比較して多くのメリットがあります。ドローンで農薬散布するメリットについて、以下の3つのポイントから解説します。

  • 作業負担の軽減
  • 作業時間の短縮
  • 農薬接触の低減

動力噴霧器(動噴)無人ヘリコプタードローン
作業負担×
体力的な負担が高い
×
精神的な負担が高い

作業負担が低い
作業時間×
長時間

短時間

短時間
農薬接触×
農薬接触率が高い
×
農薬接触率が高い

農薬接触率が低い

作業負担の軽減

従来の動力噴霧器(動噴)は、重いタンクを担ぎ作物を踏まないように歩き回りながら農薬散布するため作業者に大きな負担がかかります。無人ヘリコプターは操縦者(オペレーター)が操縦に神経を使い、精神的に重圧がのしかかります。

ドローンを利用することで、これらの作業負担の改善をはかることができます。上空から農薬散布でき、さらに自動飛行ドローンであれば高度な操縦技術は必要ないので、体力面でも精神面でも大幅に負担を軽減できます。

作業時間の短縮

動力噴霧器(動噴)で1haあたり約2時間ほどかけていた農薬散布を自動飛行ドローンで散布することで約10分ほどで散布できたという事例もあります。無人ヘリコプターは動力噴霧器(動噴)と比較すると効率は上がりますが、サイズが大きく小回りが効かないので狭い農地や中山間地での散布が難しい場合があります。

ドローンであれば作業時間の短縮を実現し、狭い農地や中山間地での散布もできます。

農薬接触の低減

病害虫・雑草による収穫の減少を防ぎ、農作物を安定的に供給するために農薬を利用します。しかし、これまでの農薬散布の方法では農薬の使用上の注意に従い防護服を着るなどしても、農薬に触れたり吸い込む可能性も高く人体への影響の不安もありました。

一方で、ドローンによる農薬散布は農薬との接触を低減できるので、健康被害への不安も緩和され安心です。

手動・半自動・自動の違い

ドローンには、手動・半自動・自動があるのでそれぞれの特徴をご紹介します。


手動半自動自動
経験・技術×
経験・技術が必要

経験・技術が必要

経験・技術は不要
精神負担×
精神的な負担が高い

精神的な負担もある

精神的な負担は低い
作業効率×
補助者が必要
×
補助者が必要

ひとりで散布

手動ドローンは、操縦者の意思で制御できることがメリットですが操縦者とドローンの距離が離れると距離感が分かりにくくなり思わぬ方向に飛行させてしまったり、障害物に接触してしまうリスクが生じます。瞬時に状況を把握し、操縦者がドローンの飛行を制御する必要があり熟練の経験や技術が必要です。

また半自動ドローンは一部が自動飛行、一部が操作が必要になるため、やはり人間の判断に頼ることになります。

手動・半自動ともに、安全に飛行させるために操縦者は補助者(ナビゲーター)とバディを組んでドローンを飛行させます。     

自動飛行可能な農業用ドローンを使用するメリット

自動飛行ドローンの最大のメリットは、誰が散布しても毎回同じ精度で散布ができることです。農業やドローンの経験が浅い方も、機械音痴の方も、誰もが散布のエキスパートになれます。自動飛行だからこそのメリットをご紹介します。

  • 特別な経験・技術は不要
  • ひとりで散布
  • 可変散布対応の機種でサステナブル農業

特別な経験・技術は不要

自動飛行を実現する高精度な測位技術により、あらかじめ設定した圃場の飛行ルートに沿ってドローンが自動で飛び、農薬・肥料を散布します。

飛行中のドローンの高度維持や姿勢制御などは精密に自動化され、離陸・散布・着陸まで全て自動です。農薬・肥料の吐出量も正確で、圃場全体に効率的に散布します。そのため、農業やドローンの経験、年齢、性別は関係ありません。

ひとりで散布

高い集中力を要求される手動や半自動ドローンと違い、自動だからこそ精神的な負担を軽減することができます。ひとりで散布することができ、作業効率の向上にもつながります。適切なタイミングを逃さず、すぐに散布できることは嬉しいポイントです。

ひとりでドローンによる散布を行うためには、国土交通省が公開している「航空局標準マニュアル(空中散布)」を遵守する必要がありますので、詳細は国土交通省のホームページで確認してください。

参考:国土交通省
無人航空機の飛行許可・承認手続
https://www.mlit.go.jp/koku/koku_fr10_000042.html
航空局標準マニュアル(令和4年12月5日版)/航空局標準マニュアル(空中散布)
https://www.mlit.go.jp/common/001521379.pdf

可変散布対応の機種でサステナブル農業

センシングと画像解析AIの結果から病害や雑草リスク、作物の生育状況にあわせて必要な箇所にのみ農薬・肥料を散布できる可変散布に対応したドローンも登場しています。作業時間の短縮や農薬・肥料コストダウンはもちろんのこと、必要な箇所にのみ散布できるので環境への不可も軽減できます。環境と調和のとれたサステナブル農業を実現します。

自動飛行ドローンなら、ナイルワークスのドローンに注目

「農家の悩みを解決したい」という強い想いが、ナイルワークスのモノ作りの原点です。農家との対話から誕生したドローンが、Nile-JZシリーズです。国産にこだわり、使いやすさを追求し自動飛行を可能にしました。

国産の自動飛行ドローン

Nile-JZシリーズは、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構/NARO)が事業実施主体である国際競争力強化技術開発プロジェクト「安全安心な農業用ハイスペックドローン及び利用技術の開発」を受託(2021年6月)したハイスペックドローン開発コンソーシアムの事業で開発された機体をベースに、ナイルワークス独自の飛行技術を搭載しています。

ネットワークRTKに対応し、cm単位の高精度な測位が特徴です。RTK-GNSSや複数センサーから算出される位置情報により、バッテリー・タンク残量検知、障害物回避、異常時の退避まで、全自動で、正確に自動飛行します。Nile-JZシリーズの飛行の様子

操作はシンプルで、簡単

シンプルな操作で、自動飛行を実現します。事前に圃場や障害物を測量し、スマートフォンで飛行経路はリアルタイムに自動生成されます。そして、ドローンは自動で農薬・肥料を散布します。また、機体はコンパクトに折りたためる構造になっているので、年配の方や女性でも簡単に車に積み込んだり、圃場への移動ができ便利です。ひとりでも操作でき、事前準備のお手軽さやストレスフリーな飛行が魅力です。ドローンの使用方法のステップ

上位機種Nile-JZ Plusは可変散布に対応

Nile-JZシリーズは2種類。標準機体のNile-JZと上位機体のNile-JZ Plusがあります。とにかく均一にシンプルに散布がしたい方は、Nile-JZ、可変散布も行いたい方はNile-JZ Plusがオススメです。

Nile-JZ Plusは、「みどり投資促進税制」の対象機械として、初めて認定されたドローンです。作物の生育状態にあわせて、部分的に農薬・肥料を散布する可変散布の機能を搭載しています。また、BASFの栽培管理支援システム「xarvio® FIELD MANAGER」と連携し、作物の生育状況や予想収量に合わせて、可変散布も可能です。作業効率や収量の向上、農薬・肥料コストダウン、サステナブルな農業を実現します。データ活用による可変散布のイメージ図

ナイルワークスの農業用ドローン導入の流れ

Nile-JZシリーズを安全にご利用いただくために、講習会で知識・技術を習得することができます。

ナイルワークス独自の講習会・ライセンス取得

講習会は、3日間です。座学・実習を通して、体系的に知識・技術を学び、Nile-JZシリーズのライセンスを取得します。

  • 座学:
    航空法・農薬取締法・その他関連法令、Nile-JZシリーズの特徴、自動飛行の仕組み、安全に飛行させるための注意事項
  • 実習:
    基本操作・測量・運搬・洗浄・点検の実習、トラブル発生時の対応方法

各種申請

ドローンによる農薬散布は、人口が密集する地域の上空を飛行する場合があることや、航空法で禁止事項となっている「危険物の輸送」「物件の投下」などにあたるので、国土交通大臣への許可・承認の申請が必要です。

「面倒くさそう」と考える方も多いと思いますが、ナイルワークスの講習会で、各種申請についても丁寧にご説明するので、ご安心ください。詳しく知りたい方は、国土交通省のホームページを確認してください。無人航空機を屋外で飛行させるための手続き

出典:国土交通省
無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルール
https://www.mlit.go.jp/koku/koku_tk10_000003.html
無人航空機を屋外で飛行させるための手続きについて(令和6年4月)
https://www.mlit.go.jp/common/001579420.pdf

導入後の安心のカスタマーサポート

ナイルワークスは日本の企業だからこそ、手厚いサポートが充実しているので、安心してご利用いただけます。LTE網を経由して飛行情報を監視サーバに送信し、リアルタイムで飛行情報を確認しながら、サポートしています。

海外製品の場合、質問の回答に1週間もかかったり、故障修理に数ヶ月もかかってしまうこともありますが、ナイルワークスのカスタマーサポートは、質問や修理、定期的な年次点検も、丁寧に迅速に行います。日々の農作業を万全の体制でサポートします。カスタマーサポートの様子

導入事例

ナイルワークスの国産の自動飛行ドローンNile-JZシリーズ。ご利用いただいている方の声をご紹介します。

丁寧で正確な、ワンオペ散布に挑戦

千葉県柏市で、約150年前から先祖代々田んぼを受け継ぐ若手農家。「操作自体は簡単なので、スマートフォンさえ使えれば、誰でも散布できると思います。自分で初めてドローンを飛ばした時は、設定した通りに散布するので、感動しました。とても扱いやすく、ひとりでも丁寧な散布作業ができます。」とワンオペ散布に挑戦しています。
詳細はこちら▶ 素材を活かした餅で美味しさ届ける

農薬接触の低減し、安心して女性でも散布

宮城県仙台市の女性農家。「背の高いとうもろこしの穂に農薬をかける際に自分自身が農薬を全身で浴びてしまうことと、機材自体が重たいので作業している途中で腕が重くなり上部まで均一に散布できていないこと、そしてセット噴霧の場合、誰かとペアになって散布するので、スケジュール調整が大変でした。(Nile-JZ Plusは)実際、女性でも1人で扱える軽さと、軽バン(ミニバン)に積めること、なによりも自動飛行経路を作ってくれるので簡単なんです。」と従来の農業スタイルを改善しています。
詳細はこちら▶ 受け継ぎたいものがここにあるから。 静かな想いが突き動かすこと。

作業時間の短縮で負担を軽減

北海道滝川市の減農薬米生産者は、「楽できそうだから(ドローン散布を)やってみようかなと思ったし実際取り入れてみたら楽だった。1日半かかった作業が1日もかからなくなった」「家族経営ですので、わたしが他の仕事で手が離せない場合でも、奥さんがドローンを使って作業できるところがこれまでと全く違いますし、(作業の)時間短縮できたところが良かった」と農作業の効率化をはかっています。
詳細はこちら▶︎ 減農薬米生産者の未来を切り拓くNile-JZシリーズの利用者の笑顔

自動飛行ドローンならナイルワークスまでご相談ください

自動飛行ドローンにご興味ある方は、まずはナイルワークスまで気軽にお問い合わせください。

ナイルワークスのドローンは、人手不足や高齢化といった農業の課題に真摯に向き合い、開発された製品です。効率的で持続可能な農業を目指す方々にとって、最適な解決方法となるでしょう。

Nile-JZシリーズの主な特徴は以下の通りです。

  • 国産ドローンの信頼性
    • 日本の農業現場を熟知した企業による開発
    • 農林水産省「国際競争力強化技術開発プロジェクト(安全安心な農業用ハイスペックドローン及び利用技術の開発)」による成果を利用
    • 迅速な国内カスタマーサポート
  • フルオートで簡単操作
    • ひとりでも操作でき、ストレスフリーな散布
    • RTK-GNSSや複数センサーから算出された位置情報で、高精度な自動飛行
    • 農業経験や性別を問わず、使用可能
  • 環境に配慮した設計
    • Nile-JZ Plusは可変散布に対応
    • 「みどり投資促進税制」対象機械として、初めて認定されたドローン
    • サステナブルな農業の実現に貢献
  • 多様なニーズに対応
    • Nile-JZ Plus:上位機種として、可変散布にも対応
    • Nile-JZ:標準機種として、シンプルな均一散布

農業用ドローンの導入やその他の疑問点については、ぜひナイルワークスまでお気軽にご相談ください。専門スタッフが丁寧にサポートいたします。

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